オオクニヌシ、復活!

八十神の意地悪によって殺されてしまったオオクニヌシ

息子の死を知った母神サシクニワカヒメは、高天原の神産巣日神(カムムスヒノカミ)のもとに行き、我が子を助けてくれるように頼みました。

神産巣日神キサガイヒメウムギヒメという二柱の女神を、地上に派遣してくれました。

この二柱、実は『貝』を擬人化(擬神化?)した神様なのです。

キサガイヒメが赤貝の粉を集めて、ウムギヒメがハマグリの汁で溶いて、薬を作りました。

(火傷の古代治療の一つだと言われています。)

薬をオオクニヌシに塗り込むと、あら不思議!

 

オオクニヌシ、復活!!!

 

そのことを知った八十神は、再度暗殺計画を練ります。

八十神はオオクニヌシを山へと誘い、大木で作った罠を使って、オオクニヌシを挟み殺してしまったのです。

そのことを知った母神サシクニワカヒメは、嘆き悲しみながら息子を探し出し、再び蘇らせました。

母の思いが届いた奇跡です。(古事記に詳しい復活方法が書いてないのです。)

 

しかしさすがにこのままではまた殺されてしまう…

 

そう思った母神サシクニワカヒメ

「このままここにいては、また八十神に殺されてしまいます。

今すぐ出雲を出て、木国(きのくに=今の和歌山)にいるオオヤビコノカミを訪ねなさい!」

と息子に言って聞かせ、こっそり逃しました。

 

しかし追ってくる八十神

オオヤビコノカミの元に武装して訪れ、オオクニヌシを引き渡すよう脅します。

 

オオヤビコノカミオオクニヌシ

「この木の間にあるトンネルを抜けた先の『根の国』にいるスサノオのもとに行きなさい!なんとかしてくれますよ!!」

 

キターーーー!!スサノオ、キターーーーーー!!

 

『清々しいから須賀!』とかいって宮を建てて暮らしてると思いきや、母がいる(と思っている)根の国にいましたね、スサノオ。

古事記に母神であるイザナミの話は出てきませんので、結局黄泉の国と根の国は違う世界なのかもしれません。

ともかくも、母恋しさは収まってなかったようです。

 

根の国についたオオクニヌシ

そこでスサノオの娘、スセリビメに出会い、恋に落ちます。

そして結婚。

(おい待て待て。稲羽に置いてきたヤガミヒメは?!?!)

家に戻り、父スサノオ

「とっても素敵な神様に出会いましたの。(で、結婚しました!)」

と伝えるスセリビメ

スサノオオオクニヌシを招き入れますが、そりゃもう不機嫌も不機嫌。

 

スサノオ「今日はこの部屋に泊まりなさい。」

 

通された部屋はなんと『蛇の室屋』。

しかし妻であるスセリビメがこっそり手助け。

『比礼(ひれ)』という布を渡します。

比礼を三回振ると、蛇はすっかり鎮まり、オオクニヌシはぐっすりと眠ることができました。

 

ところが次の日、今度はムカデと蜂がうじゃうじゃいる部屋で寝るよう、スサノオに言われたオオクニヌシ

しかし再び、ムカデと蜂用の比礼をスセリビメからもらったので、またゆっくりと眠ることができました。

しかし、そこはスサノオ

ここで終わりません。

 

試練はまた続きます。

 

今度は『鳴鏑(なりかぶら)』という矢を野原に射て、それを拾ってこいと言います。

オオクニヌシが野原に入ると、なんとスサノオは野に火を放ちます

野原は瞬く間に火の海に。

もうやりすぎ、スサノオ

 

火に囲まれ、オオクニヌシが途方に暮れていると、足元に一匹のネズミが現れます。

「内はほらほら、外はずぶずぶ〜」

と言いながら、地面を踏みならします。

オオクニヌシ「内側は空洞、出入口がすぼまっている…??」

 

「はっ!!地面に穴があるのか!?!?」

オオクニヌシが地面を踏むと、地面に穴が開きました。

穴の中に隠れているうちに火は通り過ぎ、またもやオオクニヌシは一命を取り止めました。

 

しかもこのネズミ、スサノオが放った鳴鏑を持ってきてくれました。

どうやらネズミの子が、鳴鏑の羽を齧って遊んでいたのだそうです。

 

焼け野原を見たスサノオスセリビメ

さすがにオオクニヌシは死んでしまったと思い、葬式の準備を始めました。

 

ところがどうでしょう!

 

焼け野原には、鳴鏑を持ったオオクニヌシが立っていました!

 

これにてめでたしめでたし…とは、なりません。

だってスサノオだもん。

 

この続きは、また次回。

 

注)

わかりやすいように、ずっと『オオクニヌシ』と書いてますが、ここまで彼の名は『オオアナムジ』と呼ばれていました。次回、彼が『オオクニヌシ』と呼ばれるに至るお話もございますー。