二十四節気について

大暑〜気がつけば連載最終回です。

七月二十三日ごろから立秋まで

夏も終わりの節となりました。

大暑の頃は暑さもきわまり、夏の風物詩がよく似合う頃です。

 

風鈴・打ち水・蚊帳・花火・浴衣・海水浴・カブトムシ・蚊取り線香・きゅうり・スイカ・素麺

各地では夏祭りや花火大会も行われ、子供たちは長い夏休み。

母としては、学校と給食のありがたさを噛みしめる夏休み…

みなさん、元気に乗り切りましょう!

 

七十二候

初候 桐始結花(きり じはじめて はなをむすぶ)

次候 土潤溽暑(つち うるおいて むしあつし)

末候 大雨時行(たいう ときどき ふる)

 

桐の花

桐は高さ10mほどの梢に淡い紫の花をたくさん咲かせます。

古くから木材として重宝されてきた桐。

木材としては最も軽く、湿気を通さず、割れ・狂いも少なく、発火しづらいなどの特徴があります。

桐の紋

桐の花を意匠化した家紋は、古くから高貴なものとされてきました。

桐は「鳳凰の止まり木」と神聖視されていたことから、古くは天皇家の紋章でした。

武家社会になり、戦国大名なども桐紋を用い始めたため、皇室は菊紋章のみを用いるようになりました。

有名どころでは、『五七桐』と呼ばれる桐紋を、豊臣秀吉が用いていました。

近代では、日本国政府(内閣総理大臣及び内閣)は桐紋賞を用いていますし、500円玉の表面に描かれています。

 

夏の風物詩

海水浴

貝塚の存在でも分かる通り、人類は古くから海のそばで活動をしてきましたが、今のような海水浴の習慣は最近のものです。

いまでもお祭りの神事で海へ入る光景を見かけると思いますが、もともと海は穢れを祓う場所

 

日本神話でも、黄泉の国から戻ってきた伊弉諾尊(イザナキノミコト)は、

筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原』で海に入り、穢れを落としつつ、多くの神々を生みました。

ちなみにこの、日向・橘・小戸・阿波岐原。

今でも宮崎県に地名として残っており、たくさんの伝承と、神々を祀った神社とともに大切にされています。

ちなみに、神話に関する宮崎のHPが素敵なので、ぜひご覧ください。

http://www.kanko-miyazaki.jp/shinwanofurusato/sp/story.html

 

ヨーロッパで18世紀頃に始まった海水浴は、そもそも医療目的でした。

それが日本に伝わったのが幕末。

多くの療養施設なども作られたそうです。

その頃から徐々に、今のレジャーとしての海水浴も始まったそうです。

 

浴衣

浴衣とは、木綿で仕立てた和服の略装で、着物の下に長襦袢を着けません。

平安時代に貴族たちが着ていた『湯帷子(ゆかたびら)』が原型だとされています。

平安時代、貴族は蒸し風呂に入ることが一般的で、その際に来ていたのが、湯帷子です。

江戸に時代になって銭湯が普及すると、湯上りの水分をすいとれせるために湯帷子が着られるようになり、これが現在の浴衣になったと言われています。

最近では、セパレート式やマジックテープのもの、作り帯など、簡単に着れるものもたくさん出回ってます。

白い浴衣は、暑い昼間に涼しく過ごせるよう。

紺の浴衣は、染料である藍の香りに虫除け効果があったことから、夕方から夜に着るよう。

そんな区別もあったりします。

ただあくまで略装(特に旅館の浴衣はパジャマです)。

きちんとTPOをわきまえた楽しみ方ができるといいですね。

 

打ち水

歴史に打ち水が登場するのは、茶の湯が大成した頃。

今でお茶事では、お客様をお迎えする準備として、打ち水をします。

これは夏に限らず、土埃を沈め、清々しいお出迎えにするための工夫でした。

 

エアコンの普及により、一時は見なくなった打ち水ですが、最近また復活してきましたね。

 

打ち水は、水が蒸発する際の気化熱で周囲の温度が下がります。

また、空気の流れが生まれ、気温が上がりにくくなるなどの効果があります。

そしてなにより、見た目が涼やかですよね。

打ち水は、朝夕に行うのが効果的だとされています。

 

風鈴

音は古くから、獣や魔物から身を守るためのものだとされてきました。

縄文時代には音を出す目的で作られた土鈴(どれい)という楽器のようなものがあったそうです。

また、神社で金を鳴らして神様に呼びかけたり、仏壇でお鈴を鳴らして佛様を拝んだり除夜の鐘で煩悩を追い払ったり、音と、超常的なものは深く広く結びついてきました。

風鈴の原型は、寺の軒下に吊るされた『風鐸(ふうたく)』だと言われています。

災いや流行病は、風が運んでくるとされていたため、風鐸には邪気除けの意味があるそうです。

それが徐々に暑気払いの器具として定着し、ガラス産業や鋳造業の発達に伴い、広く普及してきました。

各地で、金属やガラス、陶器、木、木炭などなど、様々な素材で、様々形状で、作れている風鈴。

最近は軒先ではなく、スタンドのようなものに吊るして室内で楽しむものも見かけます。

そうそう買い換えるものではないと思いながらも、風鈴が出回り始めるとワクワクします。

 

 

さいごに

今では季節の移ろいを感じることもままならず、季節自体もどんどんと変化してきています。

伝統は、少しずつ形を変えながら、でも根幹を大切にしながら、紡ぎ続けていくものだと思っています。

忙しい日々で、そんな悠長なことやってられないわと思うかもしれないけれど、知っているかいないかで大違い。

商売人が半ば強制的に教えてくれる季節に関するパワーワード。

その言葉の後ろに隠れた物語を思い起こしてもらえれば、ただ踊らされるでなく、ただ流されるでなく、季節を楽しめるのではないかと思いつつ、一年間記事を書いてきました。

私は、世界でもずば抜けて長い歴史を持った日本を、天皇陛下をいただき神話を礎とする日本を、なにより誇りに思っています。

そして自虐的な視点で自国を貶める戦後の習慣を変えたいと、心から願っています。

『吾唯知足』。貪らずに、感謝を。

 

幕張ベースさんに寄稿させていただいていた二十四節気も、ついに最終回。
一年間、記事を書かせていただいたことで、たくさんの気づきや学びがありました。
拙い文章は成長せぬままでしたが(笑)
幕張ベースの皆さん、貴重な機会をありがとうございました。
みなさま、ご自愛くださいませ。