立冬〜冬がはじまるよ。

立冬(りっとう)
秋がきわまり冬の気配が立ち込める頃。
11月7日ごろ~小雪前日まで
立冬、立春、立夏、立秋は「四立(しりゅう)」といい、それぞれの季節が始まる日です。
今年の立冬は11月7日。
暦の上ではもう冬になりましたが、まだまだ日差したっぷり。
なんと、夏日を観測した地域もあったそうです。
とはいえ朝晩は末端から冷えます。
ついこないだまで靴下なんか履かなくても平気だったのに、最近はもこもこしたルームシューズを愛用しています。
年々寒さに敏感になります。
我が家の息子は、昔からクラスに一人はいる『冬でも半袖くん』です。
いや、正確に言うとノースリーブなので、半袖くんですらないワイルドぼっちゃん。
今年も、寒さ・しもやけ・乾燥肌と、己のプライドとの熱い戦いが幕を開けます。
さぁ、まずは七十二候からいきましょう。
初候
山茶始開(つばき はじめて ひらく) : 山茶花が咲き始める
次候
地始凍(ち はじめて こおる) : 大地が凍り始める
末候
金盞香(きんせんか さく) : 水仙の花が咲く
今回のお花の話は、少しややこしいです。
山茶?山茶花?
初候の「山茶」、「つばき」と読んでおりますが、山茶花のことです。(ツバキ科)
さざんかさざんか咲いた路~焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き~♪
秋の間に散った落ち葉を集め、焚き火をする家の垣根には、山茶花が咲いている。
もう今ではなかなか目にすることのないですが、童謡にも歌われ続ける初冬の風物詩です。
椿との区別がつきにくいのですが、開花時期は山茶花が初冬で、春が近づくと椿が咲きます。
こちらは椿
また、花びらが舞い散る山茶花と違い、椿は花首からぽとりと落ちます。
冬枯れの景色の中に鮮やかに咲く大輪の山茶花は、なんとも美しいものです。
金盞香?金盞花?
末候の「金盞香(きんせんか)」。
こちらもややこしいことに、「水仙」のことです。
水仙の別名は「雪中花」。
降り積もる雪の中にすっと茎を伸ばして咲く水仙は凛々しくもあり、幸田露伴は水仙について、
【姿あり才ある女の男を持たず世にも習はで、身を終わるまで汚れを知らず、山ぎはの荘などに籠り居て、月より他には我が面をだに見せず、心清く過ごせるがごときは水仙の花の趣なり】
と書いています。
日本的な、凛々しい佇まいの花ですが、有毒ですのでご注意を。(水仙の葉がよく「ニラ」と間違われております)
ちなみにこちら
いわゆる「キンセンカ」は「金盞花」と書きまして、食用花としても知られています。ややこしや。
えにし
私ども、「えにし」という名で活動しておりますが、えにしとはご縁のことです。
ご縁というものは奇なものですから、人々は昔から良縁、縁結び、縁切りなどなどの御利益を求めて、神社に詣でてきました。
全国各地に、縁結びの神様がいらっしゃいますが、その中でも最も有名なのが、大国主命(おおくにぬしのみこと)。「因幡の白兎」に出てくる神様です。
島根県の出雲大社を始め、数多くの神社に祀られています。
日本神話マニアとしては、この話題だけ長々書きたくなりますが、それはまた別の機会にいたしまして、とりあえずざっくりと。
この大国主命は優しく知的で頼もしい神様。
争うことでなく、愛を以って国作りを成す、、、非常に、魅力的な神様です。
それゆえ(?)、あちこちにたくさんの妻がいて、子供が180柱(神様は、『人』ではなく『柱』で数えます)もいらっしゃいます。
そんな大国主命は、自らが築かれた国を、太陽の神様である「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」へお還しになります(国譲り)。
国を譲る代わりに、出雲の地に大きな社を築いてもらい、そこで、目には見えない「むすび」のお力を以って、人々の幸福を見守ることになりました。
古代出雲大社本殿再現イメージ(高さ48m!!!)
旧暦10月、日本中にいらっしゃる八百万の神様が、大国主命の住む出雲大社に集まり、縁結びに関する会議を行います。
そのため、それぞれの地域を留守にしてしまうことから、この月をと呼ぶようになりました。
一方出雲では、神様がたくさんいらっしゃっているため、「神【在】月」と呼ばれ、神様を迎え、送り出すためのたくさんの神事が執り行われます。
平成最後の神々のお集いは、今月。
11月17日夕刻に神様をお迎えする「神迎祭」から始まり、
18、22、24日の神在祭、
22、23,24日の縁結大祭などを経て、
24日夕刻の神等去出祭(からさでさい)にて、
神様のお立ちを見送りします。
「神渡(かみわたし)」と呼ばれる風に乗って神様たちはそれぞれの地元へ帰っていきます。
なんだかわくわくしませんか?
今年紡げたご縁に感謝、そしてこれから紡げるご縁にも感謝しつつ、寒暖差激しく慌ただしい初冬を乗り切りましょう。
七五三をお迎えの皆様、おめでとうございます。
では次は、小雪(こゆきじゃないよ、しょうせつです)にて。