桜咲く。

染井吉野は、江戸後期に生まれた新種で、明治以降爆発的に普及したそうです。

ということは、いにしえの歌人や、本居宣長が詠んだ桜は、山桜。(葉と花が一緒にでるもの)

そんなことを今更知ってハッとなる、エセ古典好き。

本居宣長の[敷島のやまと心を人問はば 朝日に匂う山桜花]という歌は、やたらと戦争の記憶と結び付けられます。

実際、神風特攻隊は、敷島・大和・朝日・山桜。散ってしまうという理由で、山桜はないが、軍艦にもその名があります。

染井吉野の普及と、進む軍国主義とが、彼の歌の色を変え、桜のストーリーを生み出し続けていったように思います。

でも、生粋の国学者で、古事記の研究者でもある本居宣長のいう[やまと心]は、軍国主義のいう[大和心]とはニュアンスが違って、もっと昔からの、日本古来の、在り方みたいなものです。異文化を鵜呑みにせず、日本にマッチする形で受け入れていくための手段というか、道しるべみたいなものを、やまとこごろ、というのかもしれません。

2000年以上の歴史を持つ国が、たかがこの100年くらいで、そのアイデンティティの根底を覆されようとしているのは、なんだか悲しいことです。

やはりしっかり、古きを学ばねばならないなぁと改めて思いました。

ともあれ桜は、美しいです。